プロローグ

 人生あれこれあって、収入もちょっと増えて、少しの頭金ができたので、県営住宅を出ることを考え始めた。遅くてもチビ2人が小学校に入る前には引っ越したい。と思っていた。

 2000年後半から、去年占い師のババに言われたように、中古住宅を見て回るようになった。

 しかし、気に入る物件がないまま21世紀を迎え、もう一度占い師のババの所に行くと、今度は『クリスマスまでに新築が見つかる』と言いおった。

 このババには、いろいろお世話になり、結構私たちは当たったので、何かあるごとに占ってもらっていた。結婚する前にも相性を見てもらった。チビ2人の名前も見てもらった。

 しかし失礼ながら、『まさか、今回はハズレ』と思っていたのである。『ハズレ』と思ってはいたが、家を探すのをやめたわけではない。その後も回数は減ったが、中古物件、新築物件、土地を探すために、ハウスメーカーや、不動産を回ったり、広告をチェックしたりすることは続けていた。